院内での鍼灸・あん摩マッサージ施術と医師の同意のもと健康保健適応での出張施術がメインです。
それとは別で、保健鍼灸マッサージ協会の会員様の申請事務作業の代行補助、電話での対応(指導)、月に何度か行うセミナー補助業務があります。私が勤務していた時は主に日曜日に開催されていました。

訪問施術に関しまして、当時自分の経験や知識では対応出来ないと感じる患者様を担当することになりました。
本を読んだり人に聞いたりもしましたが相談出来る人が居らず、何もできない自分への悔しさと、私が来ることを待っていて下さる患者様の気持ちへの葛藤から転職を考えました。
それと、鍼が打てる様になり、古くからある「灸」を扱える事が出来る鍼灸師になりたかった事もまた転職を考える大きな理由のひとつでした。

特にありません。

次の就職先は決まらないままの退職でした。
当時実家で暮らしていたので就職活動はじっくりと取り組ませてもらえたから次の就職先に出会えたのかなとも思っています。
鍼灸マッサージ師向けの人材派遣会社に登録して相談に行ったり、ハローワークにも何度か足を運びました。医道の日本の求人欄もチェックして何件か面接に行きました。

医道の日本に掲載されていた治療院に問い合わせてみたところ、その治療院とは条件が合わなかったのですが、知り合いの治療院をご紹介して頂けることになり、そこが転職先となりました。
大きな決め手はやはり代々続く「鍼灸院」であり、転職を考えるひとつであった「灸」の施術に力を入れている点でした。当時の私には願ってもない大チャンスでした。本当にありがたいお話でした。

主な仕事内容は治療院に来院される患者様の鍼灸施術と健康保健適応での訪問施術です。
鍼は灸頭鍼が中心で(症状によりそうでない場合ももちろんあります)灸も艾を捻って線香で火をつけるスタイルです。
あとは掃除と受付業務もありました。

灸頭鍼をするとは思っていなかったので驚きました。
なので接骨院でちょこちょこやる鍼灸とは全然違います。パルスも使いません。そういった点はいい意味でイメージとは違いました。私が学生の頃からなりたい(やりたい)と思っているものがそこにはありました。
業務の点でいえば、訪問施術に行く際、自転車だったところです。強風や雨の日は大変でした。

技術の面では灸頭鍼に付ける艾を落ちないように鍼につけたり、火をつけた後も患者様の身体に艾が落ちないよう気をつけなければなりません。
ひねるお灸を駆使して身体に熱を入れるという意味すら分からず、それらを理解し、実戦でスムーズにできるようになるまでに大変苦労しました。これはとにかく練習あるのみです。
研修があるわけではないので院長先生の施術のサポートに入りながら見て覚えたり、分からない事は質問して沢山教えて頂きました。とにかく技術は盗むようによくみるのも勉強でした。
あとは「人」と接するお仕事ですので「人」につくというか・・・。相性はあると思いますので克服はないです。今は分かりませんが、施術のベースとなるものは統一してました。
それと患者様あっての仕事ですので、対応していたりすると何時に帰れるのか分からない日もちょこちょこありました。でも院長先生はじめ他の先生たちも同じですのでその点はそこまで辛くはなかったですが、プライベートの予定は立てにくかったように記憶しています。

やはり患者様からの「ありがとう」や「笑顔」です。
初診の患者様は身体の痛みと鍼灸は痛いもの・熱いものと不安そうにされている方も多かったですが、施術を終えたあとに表情がやわらかくなっているのを見るのもまた励みとなりました。

もちろん成功です。

学生の頃鍼が打て、灸を据える事が出来る鍼灸師になりたかったのですが、身体の見方や考え方等を教えて頂いたからです。
鍼灸師として沢山のことを働きながら学ばせて頂きました。私がこの業界で仕事をした中で一番充実し、濃い時間を過ごさせていただきました。

頑張れば頑張るほどスキルアップする点でしょうか。
それと常連の患者様は顔を覚えて話しかけてくれたり、可愛がってくれます。

身体の診かた、お灸で身体に熱を入れるとはどういうことなのか、熱のバランスの取り方・・・等、何も知らない私にじっくりと教えて頂きました。
学校で学ぶのとは違い実戦ですから、毎日が学びでした。私は運良く働けましたが、今でもその経験は大きな財産です。
それと院長先生はものすごく患者様思いで、予約時間が過ぎても納得頂くまで向き合い、話を聞いてらっしゃいました。
当時の私には正直なんでそこまで！と理解出来ない部分もありましたが、その姿から人に寄り添うとはどういう事かについても教えていただいたように思います。
はじめはきっと大変かと思いますが学びの多い治療院だと思います。